TSUNA-GARU-TOCHIGI

食べる・見る・買う…何気ない営みの中にも、実は栃木の良さがいっぱい。生産者、農作物など普段は裏方であるもう一人のヒーローを紐解くことで「人」の繋がりが見えてくる。

2020年9月

阿久津農園 阿久津正徳さん、政英さん


国内最高峰の賞を受賞 稲作のプロフェッショナル

 黄金色に輝く稲穂が揺れる田んぼを前に、「今年もいい米ができたと思います」と笑顔で口にする阿久津農園5代目の政英さん。日本最大のコンテスト「米・食味分析鑑定コンクール 国際大会」で、過去5年で4度の受賞実績があったが、昨年ついに最高部門の国際総合部門で“特別優秀賞”を受賞。「死ぬまでに一度は受賞したい」と夢見た賞を手にし、米どころ大田原市でも一目置かれる存在となった。
 ナスの栽培を手掛ける父正徳さんと、団体職員として勤務しながら、出勤前と休日を使い米づくりに携わる。二足のわらじを履いても、農業は楽しいという。特にこだわるのは苗づくり。阿久津さんは試行錯誤の末、発芽後すぐに緑色の芽を出す強い苗の栽培に成功。発芽後もハウスではなく、路地栽培でゆっくりと病気に強い苗を育てている。こうした独自の取り組みにリスクは付き物だが、それでもさらなるチャレンジを続けている。「おいしくて健康に良いお米を目指し、これからも追求していきたいです」。阿久津さんの言葉からは、米づくりへの強い情熱が伝わってきた。
 そんな阿久津さんのお米が食べられるのは、宇都宮市にある人気店「和食 了寛」。「阿久津さんの米は炊き上がりの香りが最高です。米肌がよく一粒ずつが立っている。甘みもあり、冷めてもおいしいですよ」とオーナーの田巻さん。土鍋で炊いた味わいはまた格別で、つやつやとした光を放ち、白飯だけでも食が進む。まさにプロも納得の“うまい飯”なのだ。
 阿久津さんの米は、あぜみち鹿沼店と下戸祭店で購入できる。店に並ぶと途端に売り切れてしまう人気だ。新米の季節、秋の味覚とともに、本当においしい米を味わうぜいたくを堪能しよう。

Information

阿久津農園 阿久津正徳さん、政英さん

黄金色に輝く美しい稲穂。まもなく収穫を迎える。

和食 了寛

* TSUNA-GU 店

Information

320-0838 栃木県宇都宮市吉野1-7-10

電話:
028-611-1711
営業時間:
AM11:30~PM3:00、PM6:00~PM10:00
休:
月曜、第1・3日曜
駐車場:
有り
ホームページURL:

www.ryo-kan.net

* TSUNA-GU グルメ

じゃこご飯

土鍋で炊き上げた米に合わせるのは、静岡産のシラスを、兵庫県有馬産の山椒とともに甘辛く炊き上げた『ちりめん山椒』。通常『昼の懐石(3,000円~)』のシメとして提供されている。